痛みは思考から治しましょう!
JUGEMテーマ:フィットネス
コンディショニングセッションでは、体の痛みを抱えるお客様のご指導も多く行っています。
痛みについては、人それぞれに感じ方が違います。
客観的に同じ痛みとしても、それを同じ痛みレベルで感じることがないことも頻繁にみられます。
仮に10段階で10をMAXとした痛みとして、3段階目の痛みを感じてもらいます。
Aさんは「ほとんど気にならない」痛みです。
一方、Bさんは「嫌悪感をしめすほど痛い」と言います。
なぜ、同じ強さの痛みでも、感じ方は人それぞれなのでしょうか。
一度は経験したことがある人が多いギックリ腰。
ギックリ腰を体験すると、痛みへの恐怖や不安から体はこわばり、脳からは動くなという信号がきて、腰をかばうようになります。問題は、この恐怖や不安からくる安静です。
西欧諸国の腰痛のガイドラインには、「2日を超えるベッドでの安静を指示すべきではない」と書かれています。
もちろん、まれに深刻な事態に結びつく赤信号の腰痛もありますので、次のようなサインがひとつでもあれば医療機関を受診するようにしましょう。
参考:
・東大病院 22世紀医療センター 運動疼痛メディカルリサーチ&マネージメント講座 非特異的腰痛とは http://lbp4u.com/youtu/
・腰痛は脳で治す 3秒これだけ体操 松平浩著(世界文化社)
・一回3秒これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい 松平浩著(講談社)
2011年に行われた調査にギックリ腰になった後、安静にしている方がいいのか、できるだけ動いた方がいいのかを比べる調査をしました。
その結果、3ヶ月以上の痛みが続いたのは、安静にしていた人では、3割いましたが、できるだけ動いた人はなんとゼロでした。また、ギックリ腰が2回以上再発した人は、安静にしていた人で約5割。しかし、できるだけ動いた人は、その半分の2割程度でした。
ギックリ腰を早く治し、再発することが無いようにするには、安静にするのではなく、無理のない範囲で出来るだけ動いていくことです。
また、ギックリ腰を経験すると、またあの痛みがやってきたら怖いなと不安になる人も多いのです。
でも、恐れすぎて神経過敏になるのは逆効果です。
腰に神経を集中し大事にし過ぎるとかえってギックリ腰が再発したり、痛みがひどくなったりしやすいのです。
参考:一回3秒これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい 松平浩著(講談社)
腰痛は脳で治す 松平浩、笠原諭箸(宝島社)
腰痛借金 痛みは消える! 松平浩、勝平純司箸(辰巳出版)
痛みって、ホントに人それぞれで、足の指や土踏まずのあたりがつりそうになった時も過剰に反応するあまり、筋肉は余計に緊張してしまい、「さらに痛い!」と負のサイクルにハマる人がいます。
まあ足がつったときは本当に痛いのですが、つりそうになった時に意識をそらして落ち着くように神経を持っていくと、ひどく痛むほどにつらなくなることがあります。
そこに意識を集中して、「痛い」と先に過去の痛みを思い起こすことで、その神経回路は興奮します。
痛いと感じそうになったら、気持ちを落ち着かせて体の緊張を抜くと、そうでもないことがわかります。
それから、十数年セッションをしていて思うことですが、痛みを他人に何とかしてもらおうと考える人は痛みを繰り返す傾向にあると考えます。
依頼して来るのですから、当然何とかしてもらいたいわけですが、まったくの他人任せな人はコンディショニングが上手く行きません。
なんとか物理的に調整して痛みが軽減しても、「まだ少し痛い」「なんとなく違和感がある」などと言います。
実はこれ先に述べた痛みを先回りして思い出すタイプの人の傾向です。
完全に痛みが無い状態を求める人。
全て整っているものが正解だと思っている人。
こういう人は、痛みの改善が難しいです。
最近はこういう人が初めて来るときには、来る前から何となく分かる様になりましたが、やってみるとやはりそのような思考をされます。
人の痛みは本来、自分自身で改善させていくものです。
もちろん自分自身でどうにもならないから、他人に頼るわけですが、そのアドバイスなり、指導なりを自分で実行して行く心が抜けていると、本質的な改善はできません。
ですから、何かをして終わり。
これだけやればいいというものは、私は対処的であると思っています。
何かをされるだけではなく、自分で道をつくっていく姿勢を持つことが、痛みの根本的な改善には必要です。
のた打ち回るような痛みなら、薬も有効です。
でも、ギックリ腰の例のように痛むけど、動かせるという痛みの場合は、痛みに対する健全な思考と共に積極的に動かして行くことで、早く痛みが改善して来るのです。
別に無理にポジティブ思考になることはありません。
ただマイナス思考で固めるようなことをしなければいいのです。
オーストラリアでは、
腰痛患者を減らすことと、それに関わる無駄な医療費を削減するために大規模なメディアキャンペーンを行いました。
腰痛があっても怖がり過ぎず、体を動かすことの大切さをテレビなどを通して大々的に訴えました。
その結果、腰痛があっても活動的に生活する人が増え、慢性腰痛患者を減らし、医療費も15%削減することに成功しました。
こうした取り組みも基盤となり、イギリスをはじめ西洋諸国の多くの腰痛診療ガイドラインに「過度の安静は指示すべきでない」といった内容が記されるようになりました。
ギックリ腰で、お医者さんのところへ行き「動いたほうがいいですよ。仕事にもできるだけ行きましょう」と言われると「こんなに痛いのにお医者さんはわかってくれない」と思う方もいるかもしれません。でもそれが、世界中のガイドラインに沿った正しい治療の一環なのです。
腰痛は怖くない。腰痛は「動かして」治しましょう。
参考:
・一回3秒これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい 松平浩著(講談社)
・腰痛は脳で治す 松平浩、笠原諭箸(宝島社)
・腰痛借金 痛みは消える! 松平浩、勝平純司箸(辰巳出版)
お読みいただき、ありがとうございました。
◇トレーナー・セラピスト等向け コンディショニング勉強会
※主催 IT’S ITO’S PILATES!!!
開催日時 11月24日(日)13:30〜16:30
「基礎的な動きが意識と感覚を研ぎ澄ます!小さな動きから見る全身の評価とコンディショニング」
〜ピラティス・ボディーワークの観点から〜
※当社スタッフはお世話役として務めます。
〜「いま知ってよかった」がここにある〜
将来の健康をつくる専門店
トータルフィットネス・コンディショニングセンター
- 2019.09.29 Sunday
- 健康
- 10:58
- comments(0)
- -
- by 本橋正光【トータルフィットネス株式会社 代表取締役】